女性の働く環境が整ってきたことで、結婚・妊娠・出産を経ても、まだまだ働きたいと思う女性が増えました。
しかし、マタニティーハラスメントという、妊娠している女性に対する嫌がらせが問題になっています。
せっかく女性が活躍できる機会が増えたのに、マタニティーハラスメントのせいで仕事を辞めなくてはいけない女性も多いのです。
ここでは、マタニティーハラスメントとはどういったものなのか、事例と現状をお伝えします。
マタニティーハラスメントとは?
マタニティーハラスメント、略してマタハラというものを一言で表すと、妊娠をしながら働いている人に対する嫌がらせです。
精神的苦痛・肉体的苦痛を始め、給料の減額や言葉の暴力など…たくさん種類があります。
事例として多い嫌がらせ内容をご紹介します。
- 妊娠をきっかけに退職を促す
- 給料を減給する
- 仕事をわざと辛くする
- 仕事をわざと減らす
- 今まで通りできないと嫌味を言う
- 働きたい部署から移動させられる
- 妊娠を喜んでいない雰囲気を作る
- 陰で悪口をいう
など…まだまだたくさんあります。
今回ご紹介している事例はほんの一例に過ぎません。
厚生労働省の調査結果では、「迷惑」や「辞めたら」といった言葉でのハラスメントが47.3%と最も多いのですが、「雇い止め」や「解雇」も21.3%と20.5%となり、かなりの数値です。
妊娠したら、職を奪われてしまうのです。
マタニティーハラスメントを受けると思うと、怖くて妊娠もできないと感じる女性も増えました。
仕事をしたいなら妊娠はあきらめるべき、なんて雰囲気が漂っている会社もあるといいます。
マタニティーハラスメントは増加傾向
厚生労働省では、妊娠・出産をきっかけとしてマタハラを受けた経験があるかどうか、調査を実施しました。
集計すると、派遣社員では48.7%、正社員では21.8%という数字が出る結果になったのです。
正社員でも決して少ない数字ではありませんが、特に派遣社員は半数近くがマタハラを受けた経験がある、ということになります。
派遣社員のほうがマタハラを受けやすいのは、期限を決めて雇っているから、退職に追い込みやすい、という現状があるようです。
正社員と派遣社員、働き方の違いが、マタハラの被害の違いにもつながります。
契約社員で働いていると、妊娠したときに退職に追い込まれるリスクも高いのが現状です。
同性からのマタニティーハラスメントに気を付けるべき
マタニティーハラスメントは男性から女性にするもの…というイメージが強いです。
男性は妊娠時に女性がどんな気持ちなのかわからないので、確かに無神経な発言をする人もいます。
しかし、マタニティーハラスメントの中でも、悪質なケースが多いのは同性からの嫌がらせです。
男性の上司からのハラスメントは、19.1%でしたが、女性の上司からも11.1%、女性の同僚や部下からは9.5%という高い数値も出ています。
本当に怖いのは同性からの嫌がらせなのです。
同じぐらいの年代で結婚や出産をしていない人は、妬みで嫌がらせをすることがあります。
でも、実は出産を経験している人の中にも、ひどい言葉をかけてくる人がいるのです。
自分は妊娠しているときでも頑張って仕事をしていたのだから、他の人も働いて当然と思っている人が多いです。
人によっては、妊娠初期はかなり重いつわりに悩まされる人もいます。
個人差があるものですが、自分が大丈夫だったからと、他の人も大丈夫と思ってしまうのでしょう。
昔は今よりも女性が社会で働くことが受け入れられなかった時代なので、その時代に頑張ってきた女性からしてみると、今の世の中は甘い…と考えているのではないでしょうか。
マタハラにあっても、働く場所がなくなるのは困るから…と我慢して働く人もいますが、契約社員の場合は、契約期間が決まっている以上、妊娠や出産を機に職を失ってしまう可能性が高いです。
出産か仕事か…選ばなくてはいけないのは辛いと思います。
子育てしながら働きたいというワーキングマザーには、フリーランスで独立して仕事をすることをおすすめします。
フリーランスで独立なんて自分には無理と思うかもしれませんが、パソコンが使える人であれば独立して仕事をすることができます。
仕事をしていく中で、専門的なスキルを身につけていけば、さらに年収もアップします。
契約社員としてもスキルアップしていけるでしょう。
家事と仕事を両立しながらできる仕事について、考えてみてはどうでしょうか。
辛い思いをしながら仕事をしているのは、精神的にもよくありません。
待遇が悪くて、マタニティーハラスメントに耐えながら仕事をするのではなく、自分で理想の生活を手に入れるために、動き出してみましょう。
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萩原由紀

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