妊娠・出産をすると、さまざまな制度のお世話になることができます。
特に気になるのは産休の手当だと思うのですが、いくらもらえるのだろうと思って調べてみると、用語が難しい!
おまけにいくつも手当の種類がありますから、結局、産休中にいくらもらえるのか分からないかもしれません。
そこで、産休中にもらえる手当の計算方法を簡単にご説明します!
計算の前に、まずは産休中にもらえる手当を知ろう
産休中にもらえる手当として、健康保険から下記の手当が支給されます。
(産後8週間を超えてからはじまる「育休」の分は、ここに含んでいません。)
- 出産育児一時金
- 85日以上で生まれた(死産含む)赤ちゃん1人につき42万円が支給される
- 出産手当金
- 妊娠を理由に仕事ができない日ごとに、「標準報酬日額」の3分の2が支給される
このうち、「出産育児一時金」は多くの場合、出産した病院への支払いに充ててしまうママがほとんどです。
また、支給額は1人42万円、双子なら84万円と計算しやすいですから、疑問に思う部分も少ないでしょう。
計算がしにくいのは、出産手当金のほうだと思います。
産休の手当はいくらもらえる?基本的な計算方法
出産手当金は、産休期間中に仕事ができなかった1日ごとに支給されます。
その額は、実際のお給料から算出した「標準報酬日額」を使って計算するルールとなっています。
実際の計算方法は、ケースによって非常に細かく分かれています。
全てを説明すると量が多くなりすぎますので、ここではいちばん基本的な計算方法をご紹介します。
出産手当金の計算方法
- 4月・5月・6月に支給された給与(もし前月分の給与が翌月に支払われるなら、3月・4月・5月分)の平均を計算します。
- その平均の額が下表の左の列のどこに該当するのかを確認し、その行の「日額」部分を見て下さい。出産手当金は1日当たり、その「日額」の3分の2の額となります。
例)4月・5月・6月の給与が25万円ずつの場合の計算結果
(25万+25万+25万)÷3=3カ月の平均は25万円
25万円は、下の表で第20等級
→標準報酬日額は8,670円
出産手当金の額=8,670÷3×2=5,780円
先ほどもお伝えしたように、これは最も基本的な計算方法です。
下記に該当するママは、また違った計算や基準が必要になりますので、会社の総務部や加入している健康保険の協会に問い合わせてみましょう。
- 出産手当金の支給(=産休期間)が9月1日をまたぐ人
- 健康保険の被保険者資格を取得したばかりの人
- 給与の変動によって、4・5・6月以外の月に標準報酬月額が変更になった人
- 会社の健康保険が「健康保険組合」である人
- 入っている健康保険が、「全国健康保険協会」でない人
産休手当の活用方法
ご自分の手当がいくらくらいもらえるか、計算できましたか?
いろいろなママたちに話を聞いてみましたが、この産休手当を「臨時収入」と捉えて生活費以外の使い方をする人が多いようです。
赤ちゃんのための貯金や特別な買い物、または産休の時間を活用してスキルアップを目指す、というママもいらっしゃいます。

産休でスキルアップしよう
私はキャリアアドバイザーという仕事柄、産休でのスキルアップのコツをよく質問されますので、私の考えをここに掲載しておこうかと思います。
スキルの勉強ができるのは、産休のうち出産前だけ
産休は産前と産後に分けて考えることができますが、産後は慣れない新生児のお世話や、産後の回復など、予測できない要素が多いですよね。
そのため、スキルの勉強をするなら産前の6週間で完了するものが良いでしょう。
産後のキャリアは「壁」がいっぱい!産休のうちに活用の幅のあるスキルを
もし何のスキルを身に付けるのか決めていない場合には、できるだけ活用の幅の広いものにしましょう。
子供や家庭の事情で、やむなくキャリアの路線を変更する場合にも役立つことが理想的です。
私のおすすめは、Web制作のスキル。
事務職としても、ちょっと先行くスキルですし、会社のホームページ管理を任される可能性があります。
また、Web業界への転職も可能となりますし、場合によっては独立開業も可能。
おまけに、初心者でも1カ月程度で学べると、働くママさんたちに最適な条件を兼ね備えているのです。
体に負担をかけないよう、産休中の勉強は自宅で
産休中なのですから、スキル習得の通学で体に負担をかけることは良くありません。
独学ですと不安もあるでしょうから、自宅でできる通信講座が一番適しているでしょう。
インターネットなど、通信環境が発展してきた現在では、通信講座でも立派にプロを目指せるスクールが数多くあります。
ご参考までに、私のおすすめするスクールをいくつかピックアップしてみましたので、一度ご覧になってみてくださいね。
せっかくもらえる産休と手当ですから、いくらもらえるのか計算してみて、フルに活用しましょう!
- 産休と育休に関する分かりやすい知識は 産休育休 記事一覧へ
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萩原由紀

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