カセットテープが世の中から姿を消して、もうずいぶん経ちました。
しかし、在宅ワークの中には、いまだにテープ(文字)起こしという名称の仕事があります。
テープ(文字)起こしとは、どんなお仕事なのでしょうか?
カセットテープが再生できる機器がないと、従事できないのでしょうか?
そんな素朴な疑問の解消から、テープ(文字)起こしの収入や評判、仕事のコツまでを一挙公開します!
在宅テープ(文字)起こしとは?
テープ(文字)起こしは、インタビューなどの録音した音声を、日本語の文章に置き換える仕事で、ネットが普及する以前から在宅で行われてきた仕事です。
もとは速記からスタートした職業ですが、現在は、録音を聴きながらパソコンで文章に変換していくことが一般的。
仕事の名前にはテープという単語が入っていますが、カセットテープを使うわけではなく、録音データをネットでやりとりします。
- パソコンがあれば、すぐに仕事が始められる
- 文字に起こす音声の分野は、インタビュー、株主総会、医学学会などさまざま
- 音声を文字に直すため、漢字の知識、句読点を打つ位置など、国語力が求められる
- 起こした内容をもとにライターが記事にするため、「話し言葉」を「書き言葉」に変換できる力も必要
- 録音状態が悪い音声を正確に聞き取る力も必要となる
在宅テープ(文字)起こしの働き方を評価すると
評価の解説
- 始めやすさについて:★★★★★(5点満点中5点)
- 聴力に特別な問題がなく、自宅にパソコンが1台あれば、まずは仕事として働くことができます。
- 時間の自由度について:★★★★★(5点満点中4点)
- 在宅ワークですから、納期さえ守れれば仕事の時間設定は自由にできます。
ただし、音を正確に聞き取る必要がありますから、家族が全員留守にしている静かな時間でないと、仕事ができない可能性が。
そのため、満点からは1点マイナスの4点としました。 - 収入について:★★★★★(5点満点中1点)
- 収入は、1時間の録音で5,000円弱が相場のようです。
が、初心者のうちは、1時間の録音を文字に起こすのに、1週間~1カ月ほどかかります。
稼げるようになるまでには、相当な熟練が必要となるため、収入は1点としました。 - 続けやすさ:★★★★★(5点満点中1点)
- 安定して案件を受注することが難しいのも、在宅テープ(文字)起こしの特徴です。
また、録音を文章に直している時間以外にも、知らない分野の専門用語を調べたりする時間がかかるため、初心者の時に「割の悪さ」で挫折する人が少なくありません。 - 復職しやすさ:★★★★★(5点満点中1点)
- 続けている人でも、安定して案件を受注し続けられない仕事ですから、一回お休みしてしまうと、また仕事を見つけるまでに相当な苦労がかかります。
そういった意味で、1点としました。
在宅テープ(文字)起こしのメリット・デメリット
- メリットはパソコンさえあればすぐできること
- メリットは、何と言ってもパソコンがあればすぐできるという点です。
また、日本語のヒアリングですから、はじめるに当たっての抵抗感も少ないですね。
また、音声を通じて、知らなかった分野の知識がつくことも魅力の一つです。
- デメリットは、日本語力が必要なこと
- 「日本語を聞くなら簡単」と思われがちですが、会話の文脈から正しい漢字を割り当てるのは、意外と大変。
その内容の専門性が高いと、聞いたこともない単語が登場してきますから、更に難易度は上がります。
分からない単語は調べて書くしかありませんが、そのため初心者のうちは相当苦戦すると思っておいてください。
満足いく収入を得られるベテランになれるまでに、何年もの勉強期間が必要となります。
テープ(文字)起こしをしていく上でのコツ
国語の勉強を欠かさないこと
先述のように、熟練するまでには相当な勉強や知識が必要となってきます。
そのため、仕事と並行して勉強を欠かさないこと。
一度身に付けてしまえば武器となりますから、忍耐を持って継続することが大切です。
もし、勉強にあまり時間をかけられない…という女性は、他にもパソコンを使った人気在宅ワークを比較してみたのでご覧くださいね。
では、在宅テープ(文字)起こしの評判として、現役の経験者の声をご紹介します!
在宅テープ(文字)起こし経験者の評判

回答者:53歳女性(匿名:既婚)
テープ(文字)起こし歴13年の大ベテラン。誰にでも出来ると思われがちなテープ(文字)起こしですが、専門用語を聞き取るのは簡単ではありません。コツはとにかく慣れること。
-
家庭と仕事を両立させている年数
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この仕事をはじめて、13年目に突入です。
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家庭と仕事を両立させる上で大変だったことは?
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はじめた当初は、とにかく時間がかかって、家族から反対を受けてしまいました。
今となっては作業も早くなりましたし、収入も十分増えましたが、そうなるまで結構主人と喧嘩をしました(笑)。 -
家庭と仕事を両立させる上で気をつけていることは何ですか?
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今は仕事のコツをかなり掴んできたので特にないですが、慣れないうちはとにかく「静かな時間」でないと仕事ができなくて。
そのため、子供がいない時間に集中して仕事ができるよう、家事の割り振りを考えました。
今は子供も大きくなりましたし、多少の雑音ならシャットアウトできるヘッドフォンも出たので、家族がいても多少仕事はできています。 -
仕事を取るコツは?
-
とにかく、プロとして信頼を勝ち得ることです。
新聞は毎日読んで知識を仕入れましょう。
タイピングのスピードを上げて実力をつけましょう。
相手は企業ですし、案件数は多くないですから「主婦のお小遣い稼ぎです」のようなスタンスでは、仕事は回ってきません。
もし、「話の面白さを引き出すテープ起こし」が出来たら、強い武器になります。
地道に、コツコツ上を目指しましょう。
以上をまとめると、在宅テープ(文字)起こしに向いているのは、下記のような人です。
- コーダーやプログラマーなどの専門職より稼げるようになるまで時間がかかりますし、収入もそれらの職種よりは下回ります。
もし、単に「自宅にいながら収入がほしい」のであれば、WebやIT系のスキルを身に付けてしまった方が、長期的に考えて有利でしょう。
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萩原由紀

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