1992年に育児休業の法律が制定されてから、早20年以上が経ちました。
しかし法律で制度があっても、実際に会社に育休制度がない場合には育休が取りにくく、出産で退職する女性は43.9%というデータが出ています。
一度退職してしまうと、次にやってくるのが子育て後の仕事復帰の問題ですよね。
子育て後の主婦のキャリアプランについて、キャリアアドバイザーの視点からまとめてみました。
主婦の仕事復帰に必要なものは?
子育て後の主婦の仕事復帰でネックになってくるのは、「年齢」です。
企業は、同じ職種に色々な年代の人から応募があった場合、若い人を採用する傾向があります。
それはまだ柔軟性が高く、仕事の覚えが良いことが大きな理由の一つ。
年齢を重ねた人の武器は、経験が豊富で即戦力になることですから、若い人に面接で勝つために、復職に役立つスキルを身に付ける必要があります。
主婦のキャリアプラン2つのポイント
では、子育て中にどのようなことをしておくと、仕事復帰に有利なのでしょうか?
主婦のキャリアプランに必要なポイントは2つあります。
仕事から完全に離れてしまわない
私は職務上、数十年専業主婦をやってきた人の復職相談に乗ることがよくあります。
そこで時折感じることは、「家庭のまま外で振る舞ってしまうこと」です。
たとえば、こんなエピソードがあります。
面接で、高校生のお子さんを駅まで迎えに行きたいから残業はできないと言った。 | ⇒ | スキルはあるのに仕事への熱意が感じられないということで不採用 |
受かるかどうか分からず勿体ないので、正社員の面接にスーツを買わず普段着で行った | ⇒ | ビジネスマナーを知らないと思われ不採用 |
前歯が折れているのだけれど、治療のお金が勿体ないのでそのまま接客業の面接を受けに行った | ⇒ | 人柄は合格点だったが第一印象が大切な業種なので不採用 |
どれも、家庭を守るという面からすると大切な発想で、これ自体は責めるような内容ではありません。
専業主婦という「仕事」からすると、節約や面倒見の良さなどで評価される部分だと思います。
彼女たちはみな、普段の「仕事」通りに振る舞ったにすぎません。
しかし同時に、彼女たちは面接で、お勤めの「仕事」より家庭の「仕事」が最優先ですと伝えてしまったようなものなのです。
こうなると、面接を通過できる可能性が下がってしまうことも事実。
あまり何十年も家庭に専念してしまうと、家庭のことを手放して仕事をすることが不安になります。
主婦が仕事復帰を考えるなら、子育て中も何らかの形で仕事に関わって、「家庭と仕事をやりくりする感覚」を身に付けておくほうがよいでしょう。
スキルが身に付く仕事をしておく
では、子育て中にかかわる仕事はどのようなものが良いでしょうか?
それには、「育児と両立しつつ、復職に役立つスキルが身に付く仕事」がベストであると考えられます。
パートやアルバイトではそういった仕事はほとんどありませんが、パソコンを使った在宅ワークの中には、この難しい条件を満たすものが存在します。
もちろん、勉強のために多少の先行投資は必要ですが、長い目で見ればメリットに満ちた選択肢だと言えます。
子育て後の仕事復帰に役立つ在宅ワーク
しかし、一言で在宅ワークと言っても、その種類は幅広いもの。
どんな職種が、子育てと仕事復帰のスキル習得の両立をもたらしてくれるのでしょうか?
それはフリーランスのプロとして活躍もできる、下記のような職種です。
- Webサイトを制作する「HTMLコーダー」
- 動くWebサイトや、スマートフォンのアプリを作る「プログラマー」
- Webサイトのデザインをする「Webデザイナー」
- 店舗経営をする「ネットショップ運営」
- Webサイトを育てる「Web担当者」
もし今スキルがなくても、例えばHTMLコーダーであれば、そんなに元手もかからず、1カ月ほどで習得することができる技術です。
身に付けている人が少ないスキルですから、面接でも注目されますし、成長を目指す姿勢も評価されます。
育児中の仕事として、是非検討してみてください。
社員として在宅ワークをするという選択肢もあり
ところで、IT業界は近年、社員のリモートワーク(在宅ワーク)を積極的に取り入れ始めています。
そのため、特にHTMLコーダーやプログラマー、Webデザイナーのスキルがあると、同じ在宅ワークでも会社に雇われて自宅で仕事をするという選択肢が視野に入ってきますよね。
雇用されて自宅で仕事ができるなら、育児との両立、そして仕事復帰の2つの問題が一気に解決します。
これからの時代、Webに関するスキルは、ワーキングマザーのみなさんにますますお勧めのスキルになって来ています。
子育てしながら社員として自宅で働きたいなら
リモートワークが可能と言っても、自分の都合で自宅で仕事をする日を選べたり、週に2日までしか許されないなど、会社によって決まりはさまざまです。
また、一口にWebのスキルと言っても、企業が開発している商品・サービスによって、向き不向きが異なります。
そういった点を全てクリアした、自分に合った企業を効率的に探すために、専門の転職サービスの利用をおすすめしています。
最近は、女性のための就職サービスも登場してきました。
専門家の力を借りて、自分にメリットのある就職先を見つけてみてください。
自分に合ったリモートワーク企業を探せる女性のための就職サービスはこちら
いまスキルをもっていない主婦は?
もし、上でご紹介したような仕事ができるスキルを持っていない人は、スクールなどで勉強することをおすすめします。
かと言って、子育て中の主婦には通学する時間の確保が難しいですよね。
通信講座であれば、空いた時間に自分のペースで勉強ができますから、おすすめです。
ただし、選ぶ時には初心者をプロにまで育ててくれるスクールを、見極めて選ぶようにして下さいね。
このスクールでは、就職先の紹介もしています。
私が子育て中の主婦におすすめしている講座の情報をまとめたページもありますので、良ければ参考としてご覧ください。
では、繰り返しになりますが、復職に大切なことをまとめたいと思います。
- 子育てしながら働きたい女性は 女性のためのお仕事特集 記事一覧へ
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- 主婦の仕事復帰 スキルアップに必要な4つのチェックポイント - 2017年7月21日
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萩原由紀
